DPCレセプト
0.8.0 - CI Build

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概要

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ここでは、電子レセプトがどのような情報を持ち、HL7 FHIR対応によってその情報をどう利用できるかについて説明します。

電子レセプトについて

被保険者が保険医療機関や保険薬局を利用した際に、保険医療機関および保険薬局が作成する診療や調剤に係る費用の明細書をレセプト(診療報酬明細書)と言います。保険医療機関および保険薬局では、このレセプトを元に保険者に対する医療費の請求を行っています。日本においては、厚生労働省がレセプトを電子的に記録するための規格・方式を定めており、このルールに従って作成された電子的記録が電子レセプトです。

被保険者の保険医療機関受診に伴う電子レセプトと医療費の流れは下記のとおりです。
(1) 被保険者が保険医療機関を受診
(2) 被保険者が個人負担分の医療費を支払い
(3) 被保健者の診療に伴い保険医療機関/保険薬局で電子レセプトを作成
(4) 保険医療機関/保険薬局から送付された電子レセプトを審査支払機関で審査
(5) 受け取った電子レセプトに従い、保険者が医療費を支払い

図1: 電子レセプトと医療費の流れ

電子レセプトには下記の4種類があります。

  • 医科レセプト: 被保険者が外来受診・入院した場合に保険医療機関で作成
  • DPCレセプト: 被保険者が急性期入院医療に係る診断群分類に当てはまる入院をした場合に保険医療機関で作成
  • 歯科レセプト: 被保険者が歯科を受診した場合に保険医療機関で作成
  • 調剤レセプト: 被保険者が保険医療機関から発行された処方箋に基づいて調剤を実施した場合に保険薬局で作成

被保険者が保険医療機関/保険薬局を利用した場合の一連の診療情報と費用が上記4種類の電子レセプトに記録されます。この情報をオンラインで被保険者が参照できれば、関連する診療記録/調剤記録を自身の健康管理/医療費管理に活用することができます。また、保険者が電子レセプトの情報を分析して被保険者の健康指導に活用することができます。

電子レセプトは、同じ被保険者/同じ保険医療機関/同じ請求年月を1件にまとめて作成されます。

ある被保険者が下記の経過で保険医療機関を受診した例を示します。

経過 作成される電子レセプト 作成者 説明
1月 A病院に入院し急性期医療 DPCレセプト A病院 急性期入院医療のためDPCレセプトを作成
2月 A病院からB病院に転院し慢性期治療 DPCレセプト
医科レセプト
A病院
B病院
転院前のA病院、転院後のB病院でそれぞれ電子レセプトを作成
3月 B病院を退院
B病院を外来受診
B病院が発行した処方箋に従いX薬局で調剤
医科レセプト(入院に対して)
医科レセプト(外来に対して)
X薬局:調剤レセプト
B病院
B病院
X薬局
同じB病院を受診しても、入院と外来ではそれぞれ別に医科レセプトを作成
4月 B病院を外来受診
B病院が発行した処方箋に従いX薬局で調剤
医科レセプト
調剤レセプト
B病院
X薬局
B病院、X薬局で1か月分をまとめて電子レセプトを作成
5月 Cクリニックを外来受診
Cクリニックが発行した処方箋に従いY薬局で調剤
医科レセプト
調剤レセプト
Cクリニック
Y薬局
Cクリニック、Y薬局で1か月分をまとめて電子レセプトを作成
6月 受診せず 電子レセプト作成無し 保険医療機関受診がないため、電子レセプトは作成されない
7月 Cクリニックを外来受診
Cクリニックが発行した処方箋に従いY薬局で調剤
医科レセプト
調剤レセプト
Cクリニック
Y薬局
Cクリニック、Y薬局で1か月分をまとめて電子レセプトを作成

目的

この実装ガイドは、DPCレセプトを下記のような用途で利用可能にすることを目的とします。

  • 被保険者が過去の入院・調剤の履歴を参照して自身の健康管理・医療費管理に利用
  • 保険者が被保険者の情報と基準範囲を比較し、被保険者への健康指導・アドバイスに利用
図2: 電子レセプトの利用用途

この実装ガイドと他の実装ガイドとの関連

FHIRの実装ガイドには、下記のレベルの実装ガイドがあります。

  • FHIR標準 FHIR標準のバージョンごとに規定
  • 中核的な実装ガイド 国レベルの標準を規定
  • ユースケース別の実装ガイド ユースケースに応じて規定

この実装ガイドは、DPCレセプトを使用するユースケースに応じて規定された実装ガイドです。

DPCレセプト以外の電子レセプトの情報についてもユースケース別実装ガイドが規定されています。それぞれの情報をFHIRで利用する場合は、各レセプトの実装ガイドを参照してください。

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